お安く気軽にゆるっと16番

HOや16番の金属工作を最小限の工具と労力でゆるっと楽しんでいます。皆さんも是非やってみて下さい。

鉄道省7270の製作・ゆるっとテンダー前面

ブルックステンダーの前部、2段張りのデッキに手を入れました。ついでに手すりも追加、楽しいテンダーです、(^^)。

2段張りデッキの構成パーツを切り出しました。下の櫛状の板が今までの2段デッキの下に入り、右の網目板は上張りになります。

テンダーのハンドブレーキは1,2パイプに08真鍮線を通し、端を潰して04を通しました。テンダー前面を引き締める効果があり、横から見た際の覗き趣味にも向いている追加です。(^^ゞ。

網目板にハンダを流してしまうとキサゲで掻き取れないので裏からハンダ付けしました。表に流れ出なくて助かった〜、(^^)。

テンダーのリアエンドには梯子の反対側に手すりを追加しました。テンダー後部の写真は、先ず探しても見つからないので、両側にステップを付けたんだから手すりも要るよね~、ゆるっと考えておかしくないようにしています。

後ろ上がりの炭庫に巻かれた帯金に悩まされましたが、フラスコ型のステップの上部にも手すりを追加して、テンダー前部も充実したと思います。(^^)。

 ハチロクやシゴイチが走る本線にヒョッコリ現れて、短編成の支線直通列車を引いたり、時代を更に進めて、D51の休む駅に、専用線の列車を引いて滑り込んだり。7270から7500までの軽量モーガルは、活躍の幅の広い機関車だと感じます。組み立て済みの動輪が流通していない現状では、あらたに製作するとなると、種車からの改造となりますが、バックマンのCタンクあたりから、このクラスの機関車に化けさせる事もできるかな?と、僕の本来の楽しみ方である妄想が沸き起こります。蒸気鉄道の楽しみ方は奥が深いですね!(^^)。 ブルックス7270は輸入当初から空気制動の豪華装備でした。おそらくはそうした仕様も、活躍の幅に影響したかな?などと想像するのも、蒸気鉄道の面白さです。

鉄道省7270の製作・テンダーの仕上に入りました。

テンダー後部にハシゴと標識灯を付けました。これだけでも表情が変わります、(^^)。

ハシゴは、アダチ製作所のパーツの切れ端を見つけたので利用しました。テンダー車体から浮かせて付けるための足をL字に曲げ、上部はテンダー上面に突き立てる手すりに活用しました。

ハシゴを付けただけでも生き生きしています。汽車は本当に不思議です。

標識灯とエアーホースを付けました。標識灯はお馴染みの釘の頭を利用したもの、エアーホースも真鍮線の組み合わせです。意外にちゃんと見えるように思います。なんたって安上がり!(^^ゞ。

 ロストパーツで使えるものを探せば、パーツを手作りするよりははるかに早く、細密な車両が作れるとは思います。ただステップ、エアーホース、標識灯、解放テコ受けをロストにしただけで、数千円。更には自作のボディやテンダー台車とのバランスも崩れそうです。じゃあロストに見合った自作部分にすれば良いじゃん、とは言っても無理なわけで、このあたりが車両製作を始める入門者を減らしていると感じます。市販の完成品のレベルに比べ見劣りしても、作る価値はまた別にあると思うのですが、これは向上心の無い僕の独りよがりなのかもしれません。(^^ゞ。

鉄道省7270の製作・三児の魂、百まで、ガイドヨークとロッカーアーム

天賞堂Cタンクの足回り利用で、チャッチャと完成の予想が、遂に製作期間1か月を超えてしまいました〜(T_T)、なんてこったい!。で、シリンダーにガイドヨークとロッカーアームを追加しました!

最初にシリンダー弁室にバルブロッドを取付けました。根元に1,2ミリパイプを通した06線です。こうした追加のハンダ付けは、シリンダーブロックの各部を真鍮線で串刺しにしているから、バラけさせずにすみます。

ガイドヨークは西尾さんの写真から判断すると、上のスライドバー附近から、ごく小さい物が付いてます。それならフレームに取り付けず、スライドバーに付ければ良いや、と安直に考え写真のように試しに切り出しました。右下の凹部分にスライドバーがはまり込む構造です。真ん中の凹みはサイドロッドを避けるためです。

とりあえず付けてみました。スライドバーとバルブロッドが平行に、かつ、ガイドヨーク左端の突起部分がフレームに沿うように現物合わせをしました。フレームに沿って曲げたところからロッカーアームを伸ばせば良かろう、とこれまたオダマシ工法炸裂です、(^^ゞ。

両側に取付け、クロスヘッドを通し、転がりテストをしました。しめしめ回る回る、(^^ゞ。ガイドヨークは第1動輪とクリアランスを取っておかないと絶縁側でショートしますから、実物よりは後ろにズラして取付けてあります。

このブルックスではランボードが低い位置にあるので、ガイドヨークと上回りも干渉しそうです。試しに乗せてみると、単式コンプレッサーの取付足がランボードから飛び出していた箇所でバルブロッドがぶつかりました。コンプレッサー取付板の足をカットしてクリア、あとはぶつからず、良かった〜、(^^)。

ロッカーアームの部品を用意しました。06線に1,2パイプを通して、下のクランクも通します。

組み立ては御覧のように、長いままの06線を位置決めに使って、先にバルブロッドにクランクをハンダ付けし、ガイドヨークのフレーム側に付けました。小さな部品の集積ですが、組み立ててみると思いの外、剛性感が出て、このインチキ工法はかなり使える!とひとりでニヤニヤ。(^^ゞ。

バルブロッドにガイドヨーク、ロッカーアームが付くことで、ランボード下の空間が一気に充実しました。面倒がらずに作ってみて良かった〜と、手でコロコロ押して遊んでしまいました。 チビの頃、積み木に電車の窓を書き、敷居をレールに見立てて押して遊んだ記憶がよみがえり、僕は何も変わっていないんだ、進歩がないなぁと、(^^ゞ、また、三児の魂百までって本当だ、と感じた夜でした。

鉄道省7270の製作・1ミリナットを作る!

煙室サドルを作り、ピッタンコ組み合わさりました〜、良かった!(^^ゞ。だいたい自作の煙室サドルなんか合わないと相場が決まっている?(^^ゞ、なので今日は良いぞ〜と思いましたが、

サドルは05からロの字の外枠を作り、穴にコの字に曲げた側板を差し込み、前後に煙室下部に合わせて掻き取った前後板?を貼り付けました。こういうハンダ付けは保持が全てですから、ベーク板を使って固定して組み立てました。

フロントデッキ後端にサドルの外枠のロの字がピッタンコになるのを確かめてから、サドルの中心にネジ通しの穴を開けました。

上回りを乗せて塩梅を見ます、良いではないか〜(^^ゞ。さぁ、動輪を組み付けるぞ〜、

困ったのがこれ!天賞堂のクロスヘッドは本格的に、メインロッドをクロスヘッド内に抱き込んで、クロスヘッドの内側にネジが切ってありました!。自作のクロスヘッドには1ミリの穴を開けてあり、クロスヘッド表面からネジを通してメインロッドにネジ込めば良いや、と安易に考えていましたが、無理じゃんか〜、どーすんだよ、これ?(T_T)。 仕方が無いのでメインロッド裏側から1ミリビスを通して、クロスヘッド表面でナット止めするのが簡単そうです、(^^ゞ。ちゃんと製品の構造を把握してから製作に掛からないと、こうした無駄な難題にぶつかると言う失敗例です。

1ミリナットは手持ちが無いので、04厚1,5幅の帯金にネジを切ってから整形しました。最初は外径1,2ミリのパイプを輪切りにして使おうとしたのですが、カットすれば飛ばして無くなる、ネジを締めようとヤットコで挟めば飛ばして無くなるで、無理でした。(^^ゞ。

ナットの形にはなっていませんが、1ミリビスのアタマが見えるよりは見栄えが良いような!?、(^^ゞ。あとはシャラシャラ回すだけだ〜、

もちろん回りません!、またもや、ゆるっと作ればロッドが当たる、の名言通りです。当たる箇所は、メインロッドとスライドバー後端、第1動輪のクランクピンとメインロッド裏の1ミリビスのネジ頭でした。当たりを避けるためにシリンダー中心にピストン棒の穴を開けず、外側にズラしているのに〜(^^ゞ。 スライドバーの後端は斜めに削って当たりを避け、1ミリビスは、可動するギリギリまで締め込んで、ナットが緩まないように瞬間接着剤で固めました。

かくして漸くシャラシャラ回るようになりました。天賞堂製足回りを流用しても、シリンダー、スライドバー、クロスヘッドの自作部品の精度の低さから、綱渡りのような調整を強いられています。 もっとも、蒸気機関車時代には、機関車の補修部品は機関区で手作り?していましたから、クラックが入った部品に溶接で肉盛りしてから削り直したり、摩耗した部品は、素材から機関区の鍛冶屋で新製していました。足回りの調整は面倒臭いですが、当たり箇所を調べて手直しする工程は、まさに蒸気機関車時代の機関区の整備作業のミニチュアです。漸く回った足回りを前にして、あーもあろうか?と苦心しながら蒸気機関車を走らせた蒸気鉄道は、本当に素晴しい世界だったと思います。

鉄道省7270の製作・シリンダーで大渋滞!

シリンダーに弁室を付けました!。たったそれだけか〜い!?、全くその通りで時間ばかりが無情に流れていく感じです。アメリカ型古典機のシリンダーって、こんなに手間暇がかかるんだ〜とビックリ!。前作スケネクタディのシリンダーは昔作っておいた奴を組み付けるだけだったので、砂糖菓子より甘く考えていました。(^^ゞ。時間をかけて作った事もケロリと忘れているゆるさ加減です。

弁室を乗せるに当たって、シリンダーの左右を繋ぐバー?が長手方向に短い事に気付きました、アホやな〜、(^^ゞ。とりあえず1ミリ板から切り出して長さを伸ばします。左手前が切り出した継ぎ足し分です。右の四角に穴が空いているのはシリンダーをフレームに組み付ける際にシリンダー高さを調整するシムプレートで08厚です。これでピストン棒が動輪の車軸中心にピッタンコ合いました‥

継ぎ足しとシムプレートの取付け状態です。スライドバーの上段はヤスリ整形したので輝いています。奥のスライドバーが逆さまにひっくり返っているように、まだ固定はしていません。ロッドを組み付けてシャラシャラ回るまで調整を重ねる為です。

弁室は3ミリ厚から切り出しました。ど真ん中に06の穴を開け、シリンダーに貫通させて位置出しをするとともに、弁室の蓋にも貫通させて、蓋の上に突き出した部分はオイルカップに見せようと言う魂胆です。

06真鍮線を突き立てました。これがシリンダーまで刺さる事で、煙室サドルを取り付ける為のハンダ付けの際にバラバラになることを防ぎます。厚物加工には欠かせない逃げですね、(^^ゞ。

弁室蓋は05板から切り出して穴を開け、取り付けました。貫通した06真鍮線には1ミリのパイプを08幅に切って通し、オイルカップらしく見せています。さぁて、あとはサドルの製作ですね〜。

 鉄道省の制式蒸気機関車には、ワルシャート式弁装置の加減リンクの軸から駆動ロッドを取ったオイルポンプが、シリンダーやバルブの潤滑を担っていますが、明治の機関車では、シリンダーもバルブもオイルカップで潤滑していたようです。スチームが通る経路の潤滑をオイルカップで行うのですから、保守点検以前に注油もたいへん骨の折れる作業だった事でしょう。地域の輸送を一手に引き受けている重責と仕事への誇りが、蒸気機関車を取り巻く乗員や整備関係者にみなぎっていただろう事を想像すると、廃線話ばかりがささやかれる現代の鉄道とは全く異なる鉄道世界が見えて来るように思います。

鉄道省7270の製作・ゆるっとスライドバー

2段構成のスライドバー、ちょっと上のバーがゴツすぎますね、(^^ゞ。1ミリの洋銀線からダブルで作る予定を変更して、上段だけ1ミリの洋銀板から切り出したからです。とりあえずクロスヘッドがスライドするまで調整したので、後は気長にヤスリ修正いたしましょう。

最初にシリンダーの内側に付くブロックを5ミリの角材から整形しました。右は角材、左はシリンダーに合わせて削った物です。いざハンダ付けの際にクリップが外れて飛ばしてしまい、整形ミスを含めて4個も削りました。いやはや、飛ばした物は、作業終了後に洗浄用水のバケツの底にありました、(^^ゞ。次のシリンダーブロック製作に使えるから無駄にはなりませんが。

ブロックはダイカストのフレームに丁度はまり込む長さにしてあります。ハンダは鉛50を使い、シリンダーブロック上面に弁室やサドルを付けた際に溶けて落ちないようにと考えましたが、どうなりますか?。

スライドバーは下段一本をクロスヘッドに合わせて慎重に位置出しをして穴を開け取り付けました。スライドバーやピストン棒が少しでも引っかかると、シャクる走りになってしまうので、丹念に当たりを取りました。

上のバーも洋銀線を使い、スペーサーを挟んでダブルバーにと考えていましたが、1枚板からスペーサー絡み切り出したら頑丈だべ!と思いつき、切り出しました。下のバーに取付ける為の04の穴を開け、真鍮線を通したところです。

2本のバーを組み立てました。ハンダ付けしてから念の為、真鍮線はカシメておきました。下のバーも洋銀板から切り出せば良かったかなぁ、しかし、もう手遅れですね。(^^ゞ。

2本バーの平行が取れていませんが、引っ掛かりは無くスライドします。上段の太さを下段に揃える作業は明日のお楽しみです。

 明治の古典機には、この上部2本バー、上部1本バー、上下に分かれた2本バー、クロスヘッドを抱き込むような上下2本ずつの4本バーがあり、1本と4本が成績優秀だったとか。大正の国産機は初期は上下2本バーでしたが、ハチロク、キューロクで1本を採用してからは、1本が日本製蒸気機関車の標準になりました。排気の煤や、巻き上げる埃や鉄粉、更には撒き砂が付着しやすい滑動部分ですから、現役蒸気機関車のクロスヘッドは打音検査の打ち傷だらけでした。内燃機関ならエンジン内部に収まる機構が露出していた蒸気機関車の機械としての魅力を、スライドバーの厄介な調整をしながら改めて感じた夜でした。

鉄道省7270の製作・ゆるっとのんびりシリンダー

外寸で幅を両側1ミリつめたシリンダーを作り出しました。ずいぶんつめたつもりが、画像だとあまり変わりませんね、(^^ゞ。

シリンダーは8ミリ丸棒から削ります。前後蓋の境に糸鋸で切込みを入れ、ドリルレースします。シリンダーは外径7ミリまで削ろうと目論みました。(^^ゞ。

グルグル回したところ、偏芯があり、上手に削れませんでした、偏芯を矯正出来ないので、これ以上は無理とゆるっと判断して先に進みます。

ピストン棒の入る穴は2ミリで彫り込み、ピストン棒の先端が当たらないように深さを調整しました。この後、2ミリパイプをシリンダーの穴に埋め込みます。

2ミリパイプは約1ミリほど差し込んでハンダ付けしました。長いまま付けてハンダ付け後に切り落とします。

左右のシリンダーを結ぶ厚板を取付ける為にシリンダーに06真鍮線を植込み位置出しをします。シリンダー上面は約1ミリ、ヤスリで彫り込みました。プロクソンのミニヤンキーバイスは大活躍ですが、あちこち削られて気の毒な状態ですね、(^^ゞ。

厚板に真鍮線を通し、位置出しをしてハンダ付けしてます。カツミ販売のベークライト板もかわいそうな状態です、(^^ゞ。暇を見てペーパーがけしましょうか?。

外寸で2ミリ幅をつめたシリンダーの基本部分が出来上がりました。これにスライドバーを取付け、自作のクロスヘッドがスムーズにスライドするようにしなければなりません。(^^ゞ。蒸気機関車は市販品の足回りを流用しても手間暇がかかりますが、少しずつでもブルックスの個性に近づくのは楽しいですね。

上回りとの間にはゴツい煙室サドルが入ります。また、シリンダーを結んだ厚板の上には弁室を乗せなくてはなりません。シリンダー交換だけで、パーツを次々に作らなければなりませんが、このあたりが難しい分、頭の体操になるところですね。

 弁慶号に代表される軽便規格のモーガルと、前々作の7850あたりの軸重13トンクラスとの間を埋めている7270クラスのモーガルは、国産軽量モーガルの傑作、C56が大量に戦地に送られてしまった為に、淘汰が遅れ、太平洋戦争後まで生き残ったものが出たのでしょう。こんな非力な機関車で国産主力エネルギーたる石炭輸送を続けながら、戦争に突き進んだ日本人の愚かさは、世代を超えて反省すべき国家の汚点です。蒸気機関車をいじりながら、日本人は精神的に成長したのかいなぁ?と考えております。