お安く気軽にゆるっと16番

HOや16番の金属工作を最小限の工具と労力でゆるっと楽しんでいます。皆さんも是非やってみて下さい。

鉄道省9050の製作・ゆるっとシリンダー

16番に戻りました!、Оナローを製作し続けるには真鍮板が乏しくなって来たのもありますが、この9050と言う機関車は、作りたい機関車の中でも最上位の機関車のひとつです。

臼井茂信さんの名著、機関車の系譜図2巻に掲載された写真です。日中戦争で中国大陸に渡り、24両全てが未帰還と言う悲劇の機関車です。日本のコンソリデーションの中ではスカッとした形態で愛らしい、魅力的な形態です。また製造所はアルコ・ピッツバーグ工場ですが、デザインはテンダーのアーチバー台車以外は、スケネクタディ丸出しで、スケネクタディ好きにはたまらない機関車です。機関車の系譜図を買い込んで、この写真を見て依頼、なんとかならんか〜、と長く憧れて来た機関車なのでした。

今年、KKC事務局の今野先生からKKCにお誘いを受け、入会した記念に戴いた図面集に、ズバリ9050が掲載されていたのでした!(^^)。図面に手持ちのジャンク品の中からトビー4030の足回りを外してあてがうと、僕の緩い頭の中では、こりゃ行ける!ピッタンコとの判定を下しました。(^^ゞ

KKCは、むちゃくちゃ工作力のある方々の集まりなので、横綱級の方々の製作記事は、僕から見れば神々の世界です。(^^ゞ。そんな中で、僕は万年初心者の褌担ぎ的立場で、ゆるっと汽車を作る楽しさをこれから工作を始める方々にアピール出来れば良いのかな?なんて勝手に解釈してお気軽工作を続けています。(^^ゞ

 もちろん、希少なトビー製品を転用するのは、たいへん高いハードルでしたが、ここは後戻りをしないように不退転の決意でフレームから前後のエンドビームを切り落としました。(^^ゞ。もっとも種車の4030は筆塗り塗装の不動!メーカー車種不明ということで安価に落札した車両です。

9050は4030よりシリンダーの直径が太く、9050はシリンダーの上部にスライドバーが2本並ぶタイプなので、8ミリ丸棒からシリンダーを切り出し、左右のシリンダーを8✕4の1ミリ厚チャンネルでつなぐことにしました。

チャンネルの左右を糸鋸で切り欠きました。

フレームに組み付く部分は万力で保持してカットしました。

フレームと組み合わす部分を擦り合せました。

シリンダーがフレームに対して直角に組み付くように調整します。

シリンダーは上部を切り欠いてフレームに平行になるように調整しています。

スライドバルブ室をブロックから、蓋を08から切り出しました。

弁室と蓋はシリンダーブロックにハンダ付けする際にバラバラにならないように、油壺に見立てた06真鍮線で串刺しにしました。

ひと晩がかりで漸くシリンダーブロックが形になりました。これから難物のスライドバーやらクロスヘッドが続きます。(^^ゞ。

 こうして3週間ぶりに汽車をいじると、汽車の製作はアレコレ考える事が多いなぁと実感します。また材料も丸棒ありブロックありで変化があり、このあたりも飽きが来ない要因だと思います。初めての真鍮工作の対象としては、繰返し工作の少ない汽車の加工がいちばん向いているのかな?と思いました。(^^ゞ。