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HOや16番の金属工作を最小限の工具と労力でゆるっと楽しんでいます。皆さんも是非やってみて下さい。

ゆるっとスライドバー・スケネクタディー8550

前作7850が物凄い腕前の僕には予想以上にタフでしたので、今夜はユッタリとスケネクタディー8550の足回りをいじりました。画像は自作のシリンダーブロックにスライドバーを取り付け、クロスヘッドのスライド具合を見ているところです。スイスイ前後しないことには走る機関車にはなりませんから。

ネタは中村精密のC型下回りとエコーモデルのクロスヘッド、3年前に自作したシリンダーブロック。今夜は先ずはメインロッドを1ミリ厚の洋銀板から切り出しました。洋銀は刃物に対しての摩擦がたいそう強いので、0番のヘラクレス刃で3ストロークで1ミリ以下のゆったりしたペースで切り込みました。

シリンダーブロックは丸棒から前後板を一体に削り出し、厚板で左右をつないでスライドバルブの弁室を重ねただけですが、組み立ての際にバラけないように、シリンダーと弁室までを1本の真鍮線で串刺しにしてあります。

メインロッドの1本はクロスヘッド取り付け用の1ミリネジを切った段階でスコッとタップを折り込んでしまい、塩漬けも面倒なので切り直しました。タップちゃん、長い間、ありがとう、洋銀は手強かったね、ごめんなさい。(^^ゞ。

メインロッドには、実物は溝がありますが、技術が無いので1枚板のままにしてあります。

クロスヘッドはピストン棒のバリを落とし、曲がりを修正してシリンダーに馴染ませました。ゆるっとノンビリ進めます。シリンダーブロックそのものは丸棒ですが、ピストン棒の入り口に真鍮パイプを嵌め込んでいますから、中は中空で、ピストン棒の修正は楽でした。

 

ダブルのスライドバーは初めて作りました。板からダブルバーを切り出しても、バーそのものを滑らかに仕上げる技は持ち合わせませんから、1ミリ洋銀線をヤスリ整形して、シリンダー側に1ミリ厚から切り出した結合金具を挟み、04洋銀線でのカシメとハンダ付けを併用してダブルバーとしました。結合金具の先端をヤスり、シリンダーに差し込む構造です。

04洋銀線で串刺しにしてハンダ付けしました。ハンダ付けしてから、洋銀線の両端をヤットコで潰し、カシメてあります。

スライドバーとクロスヘッドの滑り按配も、スラスラ動くように微調整しました。スライドバーの間に入るヤスリは持っていませんから、デザインナイフで気長に擦り、少しずつ削りました。刃を引きながらスライドさせることで、洋銀でも削れます。

TMS別冊、蒸気機関車スタイルブックの8550の図面です。スケネクタディー8550は、明治の機関車の中でも、最も成功した機関車のひとつで、速度と牽引力のバランスの良さから、C56開発時に参考にされたとも言われます。模型ではTMSに片野さんの製作記事の連載があり、近年では、機関車の自作の権威であるKKCさんのパーツ頒布などもあって、自作された方も多いと思います。諸先輩方の秀作には及びもつきませんが、スケネクタディーは明治の輸入機の中で、僕が最も好きなメーカーなので、作ってみる事にしました。万年初心者マークの腕前なので、各部を簡略化したゆるっと工法で、どう対応していくか?。はたして完成するのか?、楽しみながら進めたいと思っています。